![]() | マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝 (2007/12/14) バラク・オバマ 商品詳細を見る |
正直に書かれていて、こんなこと書いてしまっていいのか?と思うところが多数あった。本に書いても自分にとって不利にならないように世論を持っていく自信があるのか、それとも他人に書かれるより自分で書いたほうがイメージを操作しやすいということなのか、どういう理由であえて書いたのかわからないが、とりあえず本書を読んで自伝は嘘だらけというイメージが少し変わった。
白人優位の世の中で自分の人種について悩み揺れるオバマ氏について、読んでる最中は差別されて大変だなあとは思ったものの、読み終わってしばらくたつとどうでもよくなった。(基本的に別世界の出来事なので当然のことかもしれないが…)
オバマ氏は、その人種ゆえに自分を構成するルーツの半分(アフリカと今は亡きアフリカ人の父)に対して真剣にならざるを得ず、そのルーツにたどり着くまでの流れという構成で本書を書いている。しかし、読者である私は自分の故郷(ルーツ)と思える土地が存在ぜず(転勤が多い家に生まれたため)、かといって両親の出身地に自分のルーツを求めることはない。そのためオバマ氏が自分のルーツとその正当性を求める感情に対しては共感しにくかった。この時点で私にとってのこの本の評価はある程度決まってしまったのかもしれない。(文章を読んでいる最中はオバマ氏が巧みに訴えかけてくるような気がして気持ちが少し動かされたが…)
本が全体的に面白かったかどうかといえば、それほど面白くなかった。もちろん部分的には面白いところはたくさんあった。例えば、演説の寸劇を終えたオバマ氏に対するレジーナの本音などは痛烈で面白かった。他にも、"人種攻撃をすれば、能力が少しくらい足りなくてもやっていける"などスパイスが効いた主張も多くて楽しめた。
ただ、まだこれから先が長い人が自伝という言葉を使い、尻切れトンボに見える終わり方をするのはなんだか変な感じがしたし(もちろん何らかの政治的意図があって書いているのだろうが)、人種の話は我々日本人にとっては、いくら頑張っても分かったような気がする程度にしかなれない内容であるという思いもあり、どうもいまいち盛り上がらない本だった。
追記:
貧困地域で教会を中心としたコミュニティーの運営をおこない、その中で悩み苦労することについても書かれている。自分の参加しているコミュニティーの運営が上手くいっていないという方は読んで参考にしてみるのもいいかも知れない。”価値観を流通させアイデアを循環させる心臓部の役割”などといったやる気が出てきそうで(真似で良ければ)どこかで使えそうな言葉も出ていたりする。














